月刊「謎界隈」2022年7・8月号
こんばんは。ナゴマです。
気づけば9月となってしまいました。人によっては新学期ですね。
今月もまた、謎解き界隈(付近)で流行った知的エンタメ・ゲームなどの話題を一気にまとめていきたいと思います。
多忙により7月号を落としてしまったのですが、8月号と合わせてまとめて紹介していきたいと思います。
前号(6月まとめ)はこちら。
それではレッツゴー
この記事は、主にTwitterに投稿されたツイートを引用する形で作成しているものです。そのため、ツイートやアカウントの削除・非公開アカウントへの設定変更などによって元ツイートを見ることができなくなっている場合があります。ご理解のほど、よろしくお願いします。
今月のオススメWeb謎
今月公開されたWeb謎・LINE謎のうち、話題になっていたもの、編集者が特に好きだと思ったものを紹介していきます。
あくまで個人的な好みや話題性を考慮したうえでの、独断と偏見によるピックアップです。ご了承ください。
※掲載順=公開順になっています。
axis
- Twitter公開(正誤判定はLINE)
- 中~上級者向け
「axis」は、EM(@E_MAZE_M)さんによってTwitterに投稿された一枚謎群です。
7月の初めから1日1問ずつ公開され、最速正解者を決める形での企画が行われていました。
謎の難易度はスタンダードなものからやや難しいものまで様々です。僕も解法分かってないの結構あります
どの謎も洗練された見せ方とデザインで、一枚謎制作の上で参考になる箇所も多々あるかと思われます。
各問題の解説はまだ公開されていないようですが、こちらのnoteにて全体の解説と制作後記を読むことができます。
彩
- Web型(NazoGram)
- 上級者向け
Tohl(@Tohl_or_Tohu)さんによる「彩」です。
Web謎出題プラットフォームであるNazoGramを利用して制作された重ね謎(謎の画像が複数枚重なっていて、1つずつ解き明かしていくタイプの謎)となっています。
タイトルからもわかる通り色がテーマになっていて、初期状態の画像を見ると一瞬ぎょっとします。
難易度は高めで、一枚謎にかなり慣れていないと完全クリアは難しいかと思いますが、1つずつ類推して考え、答えが分かった時の快感は格別です。
私こういうの好き
アルティメットナゾトキショウ 予選
- Web型
- 中~上級者向け
Tumbleweed(@tumbleweedjp)による謎解きイベント「アルティメットナゾトキショウ」の予選として公開されたWeb謎です。
「予選」と銘打たれてはいますが、これで本選出場者を絞るというようなものではありません。
あくまでイントロダクション的な存在で、本選にはチケットを購入できた全員が参加できるという形式でした。
予選のWeb謎は現在も公開されており、今すぐにでも遊ぶことができます。
なお、この「アルティメットナゾトキショウ」はWeb上で開催される一夜限りのリアルタイムイベントということでしたが、システムトラブルの影響により開催が中止、後日アーカイブ版を公開という形になってしまいました。
1兆人が参加するという非常に大規模なイベントであり、Tumbleweedの新たな試みということで期待度が非常に高かっただけに残念なことであり、また制作サイドのことを考えると非常に心苦しいものでもありました。
今後も1ファンとしてTumbleweedさんを応援したいと思います。
That you see
- Web型
- 初~中級者向け
- スマホ限定
立川茜(@fantasistaKKP)さん制作のWeb謎、「That you see」です。
挑戦的で人を選ぶ(邪悪な)コンテンツを作ることで定評のある氏ですが、この謎は斬新でありながらも「ひらめき」の面白さが凝縮された傑作になっていると思います。
また、こちらは有料ですが、同氏によって昨年公開された「Hollow」も非常に面白い作品です。
That you seeをプレイして気に入った、という方にはオススメできる作品ではないかと思います。
頭が大事
- LINE型
- 中級者向け
たひち(@ta_hi_ti)さん制作のLINE謎「頭が大事」です。
小謎が3問だけというシンプルな構成なのですが、一筋縄ではいきません。
発想力と思考力を求められ、ひらめいた時の快感が随一の作品でした。
10kanji
- Web型(宇宙謎)
- 中級者向け
しゑひ(@shiwehi)さん制作のWeb謎、「10kanji」です。
いわゆる「宇宙謎」に分類される作品で、サイトに設置されたボタン等を操作しながら仕組みを探り、クリアを目指すというタイプのものです。
「宇宙謎とは何か」ということについてはしゑひさんが自らブログにまとめてくださっているので、興味がある方はそちらを参照すると良いかと思われます。
宇宙謎はぱっと見の難易度が高く、合う・合わないが別れがちなコンテンツ……というイメージなのですが、最近は宇宙謎自体の数が増えており、敷居が低いものになってきたのではないかと思います。
同制作者による宇宙謎「MAKE10」もオススメです。
千歌ちゃんのみかんの木
- Web型
- 初心者向け
ねいぴあ(@_Napier__)さんによるWeb謎「千歌ちゃんのみかんの木」です。
『ラブライブ!サンシャイン!!』という作品の二次創作にあたるものですが、原作の知識は一切必要ありません(もちろん、知っていた方が楽しいものになるかとは思われますが)。
内容はスタンダードなものとなっていて、手軽に遊べます。
色々と可愛らしい謎解きで、個人的にお気に入りのもののひとつです。
Readings
- Web型
- 初~中級者向け
- スマホ限定
あとろわ(@atorowa)さん制作のWeb謎「Readings」です。
ライトなWeb謎ですがめちゃくちゃ面白いです。
ストレスなくサクッと解ける、スマホで遊ぶ謎としては理想的な形かと思います。
今月の流行コンテンツ・話題まとめ
このコーナーでは、今月のタイムラインで頻繁に見かけたコンテンツ・話題全般を紹介します。
謎解きに限らず、いわゆる知的遊戯を幅広くまとめようと思います。
行列推理
行列推理は、非言語依存の推理問題です。
おそらくパズルに分類してよいのではないかと思っています。
3×3に並んだ記号を見て規則性を推測し、1つだけ伏せられている部分に入る記号を当てる、というもの。
IQを測定する試験のひとつとして使われていることが多いので、こちらのイメージが強い方も多いのではないでしょうか。
謎垢(@NAZOac)さんによってエンタメ化・競技化が行われ、Shitforcesというコンテストサイトで時々コンテストが開かれています。
7月8月は「行列推理 Regular Contest 001」「くそ行列推理コンテスト001」「行列推理 Beginner Contest 011」が開催されました。
非言語・非文化依存のルールを推測するというのが謎解きやクイズ、スタンダードなペンシルパズルと大きく異なる点で、普段とは違った頭の使い方を要求されます。
僕もたまに参加するけど全然解けない
「XOR」や「トーラス」といった独自の文化・ベタも生まれ始めており、今後の動向に注目したい分野の1つです。
謎解きのネタバレに関する言及
ちゃそ(So_Ra_64)さんによるこのツイートが注目を集めていました。
閲覧するかどうかを自由に選べる形で、不特定多数がアクセス可能な場所に謎解き公演のネタバレを含む感想等を置いておくのはOK?NG?というものです。
〇×の解釈が色々できてしまうのでややこしいんですが、リプライを見る限りこの解釈でいいのかな、と思います。
この質問については様々な意見が出たようですが、基本的にはNGだと思ってよいと思います。
一般的な商業謎解き公演では「SNS・ブログ等でのネタバレ厳禁」と定められていることが多いです。
この理由としては、他の参加者がイベントの楽しみを損ねてしまうこと、そして何より公演そのものの商品価値が大きく下がってしまうことが挙げられます。
確かにふせったーは不意なネタバレを回避するのに役に立つシステムではあるのですが、リンクを踏めば誰でもアクセスできるという点では個人のブログなどと大差ありません。
ここまで細かくルールが決められている公演はそんなにないため、どこまで行ってもグレーではあるのですが、少しでも危うい行為であればそれは避けるべきなのかな、と思います。
まあこれも編集者個人の意見でしかないので、各団体がガイドラインを示して初めて決着が付く話ではあるのですが
一方で、ネタバレに対する向き合い方に関してはもう少し考える余地がありそうです。
例えば、マーダーミステリーも謎解き同様にネタバレが禁忌とされる分野ですが、そちらの界隈ではふせったーを利用して感想を投稿することが一般的になっています。
実際、ネタバレが可能で感想戦ができる場所が存在すると盛り上がりますし、エンタメとしての楽しみがさらに広がるような印象を受けます。
謎解き公演であっても公式から半ば公認されている感想戦用のオープンチャットが存在したり、謎王のように謎の解説が一般公開されている状態で進むイベントもあり、そちらでは活発な感想戦が行われています。
謎王はちょっと性質違うけど
もちろん、「ネタバレがダメ」と言われているのであればダメなのですが、イベント開催の形が多様化している現在の謎解きの世界においてはまだ色々な可能性があるのかな、とも思います。
Hyper Project
Hyper Projectは謎制作団体・Rememory(@OmoideMystery)の旗揚げ公演です。
公演ではありますが形式は少し特殊で、参加者として集められた人たちが会場で謎を解く様子をウェブ上で配信する、という形式のものでした。
そしてその会場は大阪府の遊園地・ひらかたパーク。
数人規模の団体が旗揚げ公演で遊園地を貸切るというのは前代未聞のことだと思います。
話題性の鬼。
その模様はYouTubeにてアーカイブとして配信されています(現時点ではまだ前編だけのようですが)。
アトラクションをフルに活用する公演に仕上がっているようで、なかなか充実した企画であったことが窺えます。
参加者も制作者も、前後に類を見ない良い思い出になったのではないでしょうか。
次ページ:健ノブ謎解き、リドラの週2謎などなど