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テレビやネットで最近話題の「謎解き」って何? クイズとはどう違うの?

どうも、謎制作者(謎解き問題制作者)のナゴマです。

最近、テレビ番組やYouTubeなどのメディアで「謎解き」というゲームを扱ったものをよく目にするようになりました。
昔は結構限られた人の間でのニッチな遊びだったと思うのですが、松丸亮吾さんをはじめとする謎解きクリエイターの方々の活躍や、いわゆる「リアル謎解きゲーム」が広く浸透したおかげでかなり一般的なものになってきた、という印象があります。

いわゆる「謎解き」の問題(自作)。解答と解説はこの記事の中にありますので是非考えてみてください。

でも、「謎解きって何?」と聞かれると意外と説明しづらいものだったりするんですよね……
似たような「クイズ」とはどう違うのか?
実はこれには色々な意見があるのですが、その中からひとつ、自分が一番納得できる説明を紹介したいと思います。

「謎解き」は知識の要らないクイズではない

よくある勘違いなのですが、謎解きは「知識の要らないクイズ」ではありません

確かに『今夜はナゾトレ』などのテレビ番組で扱われている問題は「小学生でも解ける」というキャッチコピーが付いていたりと、大人から子どもまで誰でも親しめるということが強調されています。
考えてひらめきさえすれば誰でも解けうる、というのが盛り上がる要素であることは間違いないですし、そのような問題は「良い問題」「面白い謎解き」に分類されます。

しかし、ここでいう「面白い謎解き」は小学生でも解けるように難易度を下げたクイズのことではありません
逆に、謎解きの問題の難易度を上げたり、使う知識のレベルを上げたからと言ってそれがクイズになるわけではありません。
要求される知識のレベルが高すぎないことは面白い謎解きの特徴ですが、「謎解き」の最大の特徴ではないのです。

「クイズ」という言葉の意味について

この記事の中では「謎解きはクイズとは違って……」のような説明をしていますが、実は「クイズ」の定義や解釈も様々で、一概にどれが正しいとは言えません。
例えば日本クイズ協会さんのホームページでは、「『あらゆるQ&A[question and answer] 形式のゲームがクイズである』と定義してもさしつかえないかもしれません」との記述があります。
この定義に基づくと謎解きもクイズの一部分ということになりますが、この記事の中で「クイズ」という言葉を使うときはいわゆる早押しクイズのように知識問題を正確に答えるようなものをイメージしています。
この点はご了承ください。

「謎解き」は隠された法則やルールを見破るゲーム

では、謎解きの最大の特徴とは何か。
それは「隠された法則やルールを見破ることで答えが分かるゲーム」であることです。

冒頭で示した問題を見てみましょう。

上2行を見てみると、柿のイラストから木の部分を除いたものが「いち」になっています。
つまり「柿」という漢字から「木へん(木)」の部分を取り除くと「市(いち)」になることを示しています
下2行をこれと同じように見てみると、イチゴから草の部分を除いたものが答えになるようです。
つまり「苺」という漢字から「草かんむり(艹)」を除いて「母(はは)」が答えになります

以上がこの問題の解説ですが、太字で示した部分は問題文には直接書かれていません
これは作者(この場合だと私)の頭の中にのみ存在する法則であり、解き手(読者の皆さん)は「問題」として与えられた画像の中の情報からこの法則を推測し、そして答えを導いたわけです。

この「直接書かれていないルールを推測して解く」ことが謎解きの特徴であり、クイズと差別化される理由です。

もし同じテーマでクイズを作るのであれば、「果物の『イチゴ』を表す漢字から草かんむりを取り除くと、何という漢字になるでしょう?」という風な問題文が考えられます。
問われている内容・要求される知識のレベルは先ほどの謎解き問題と同じですが、「疑問文になっている問題を読んで、該当する知識を参照し、答えになる単語を言う」というルールは明らかです。
また問題文中で明言されていない法則もありません。
このような点が「クイズ」と「謎解き」の違いなのです。
(ただ、明確に境界が引けるものでもないので「謎解きっぽいクイズ」「クイズっぽい謎解き」みたいなのもたくさんあります。)

謎解きを実際にやってみよう!

ここまで謎解きとは何かについて紹介してきましたが、最後に謎解きが遊べるオススメの本を紹介したいと思います。

京都大学の謎制作団体であるハードナッツさんの、「京大生と頭脳バトル 謎解きアカデミー」です。
(私も京大生ですが別の団体に所属しており、この本の制作には一切関わっていません)

問題のクオリティ・数・難易度が良く計算されていて、最初から最後まで全く飽きない充実の1冊です。
謎制作者としては憧れてしまうような完成度。
値段も1000円前後とお手頃で、謎解き初心者の方にもオススメできる作品です。
最近続編が出たらしいのでそちらも是非。

最後に

こんな感じで「謎解き」についての紹介をしました。
ここで紹介した以外にも、SCRAPさんの「リアル脱出ゲーム」やWeb上で遊べるゲーム型のコンテンツなど、様々な種類の謎解きがこの世の中には存在しているので、今後はそちらも紹介していきたいな、と思っています。

ではまた。

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