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3パターンのベタ謎【謎解きにおける暗黙の了解】

どうも、こんにちは。

今日は一枚謎の世界では暗黙の了解と言ってもいい、いわゆる「ベタ謎」についてまとめた記事です。

「ベタ謎」とは?

「ベタ謎」は、謎解き(主に一枚謎)においてよく出題される問題のことです。
(便宜上「ベタ謎」と呼んでいますが別に一般的な用語ではないです。「ベタ問」と呼ばれることの方が多いかも)

早押しクイズを少しでもやったことがあったりQuizKnockさんやカプリティオチャンネルさんの動画を見たことがあったりする方なら、早押しクイズにも「ベタ」と呼ばれる問題があることをご存知の方も多いかと思います。
例えば、
「『なぜ山に登るのか』と聞かれて『そこに山があるから』と答えたという逸話が残っている、イギリスの登山家は誰でしょう?」
「火を神聖視することから拝火教とも呼ばれる、善悪二元論を基本とするペルシャの宗教は何でしょう?」

といった問題です。
これらは「問題文冒頭に重要なポイントが来る」「クイズ番組や動画で紹介された」などの様々な理由で有名になった問題で、様々な企画で複数回出題されたりクイズについての話題をするときのネタになったりしています。

他にも映画や漫画や演劇などでの「ベタな展開」やスピーチやプレゼンでの「ベタな構成」などがあります。
良く言えば扱いやすくて応用が利くもの、悪く言えばありきたりなものが「ベタ」なのです。

謎解きにおける「ベタ」も、このような早押しクイズなどの「ベタ」と同様です。
ただし、謎解きには「ルールを推測させる」という要素があるので(こちらの記事も参照)「ベタ」にもいくつかの種類が存在します。
今回は3種類に分類してみたので、1つずつ見ていきましょう。

パターン1  「テーマ」ベタ

1つ目のパターンは「テーマ」がベタな謎です。

大人から子どもまで楽しめる謎解きといえど「答え」を求める問題ですので、楽しむためには知識が必要です。
しかし、クイズとは異なりその知識を持っているかどうかを問うものではないので、要求される知識の難易度はある程度のレベルに収まることが多いです。
そして、その中でも馴染みやすく扱いやすいものは謎解きのテーマとして何度も利用されてきました
これが「テーマ」ベタです。

具体的な例を挙げてみますと、

  • 五十音表
  • 都道府県
  • ドレミファソラシド
  • 一週間・曜日
  • 東西南北

辺りが思いつきますね。

謎解きWikiのこちらのページにも色々まとまっているので要チェックです。
[blogcard url="https://nazotoki.fandom.com/ja/wiki/%E8%AC%8E%E8%A7%A3%E3%81%8D%E3%81%AB%E7%99%BB%E5%A0%B4%E3%81%99%E3%82%8B%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E7%9A%84%E3%81%AA%E7%9F%A5%E8%AD%98″]

これらの「テーマ」ベタを知っていると、答えから謎を作るときに役に立ちます
例えば「空耳」という言葉が答えになる謎を作りたいときに、「ソラミミ」の各文字が「ドレミファソラシド」に含まれているという事実にたどり着けば、それを利用した謎を作るという方向性で進めることができます。

また、逆に謎を解くとき、特に謎を素早く解きたいときにも「テーマ」ベタが活躍します
例えば7つの枠が並んでいた時にスッと「7つあるもの……ドレミファソラシ……日月火水木金土」のような思考ができれば、時間がかかるものでもショートカットできたりします。
解神謎検など、競技性のある謎解きで上位を目指したいときは必携になります。

パターン2 「ギミック」ベタ

2つ目のパターンは「ギミック」がベタな謎です。

先ほども述べた通り、謎解きには何らかの知識・テーマが利用されるわけですが、もちろんそれをそのまま答えればいいというものではありません。
テーマに様々なアレンジを加えて見た目を綺麗に整えたり、パッと見では分からないようにしたりするわけです。
謎解き問題のこのような機能的な部分のことを私は「ギミック」と呼んでいます
そして、このギミックにも「ベタ」が存在します

こちらも具体例を挙げると、

  • 文字拾い(①②③を読む、矢印が通る文字を順に拾うなど)
  • 赤文字と青文字で共通する部分が紫色で書かれている
  • 同じ記号には同じ文字が入る
  • 〇にはひらがな、□には漢字が入る
  • パズル的要素(和同開珎、ポリオミノなど)
  • 矢印を通ると単語が別のものに変換される
  • ○○のn文字目を読む

と言ったものがあります。

これらは謎を解く・作る人の間では完全に暗黙の了解となっていると言ってもいいでしょう。
そのため、あまり「ベタ謎」といった時にこのようなものを指すことはありません。
しかし、これらの暗黙の了解が謎解き特有のものであることもまた事実で、謎解き初心者の方にとっては馴染みのないものであることも多いようです。

参考:School Enigmaさんの記事
[blogcard url="https://note.com/school_enigma/n/n4ecaf9d36be3″]

そういったことも踏まえ、これらも謎解きの「ベタ」に分類します。

パターン3 「全体」ベタ

パターン3は少し特殊で、テーマもギミックも全部含めてベタな謎になってしまっているものを指します。

パターン1・パターン2はあくまでも全体の一部分がベタになっているものなので、答えとなる単語を変えたり他のテーマと組み合わせたりあるいはデザインなどに工夫をすることで、ベタとは言えど全く新しい問題を生み出すことができます。

しかし、パターン3の問題はそういったものも含めて全く同じ問題が別の場所で複数回出題されたものを指します。

代表的な例に、「TWELVE+ONE = ELEVEN+TWO」があります。
正しいであるうえ、イコールの左右で使われているアルファベットが全て同じというのが美しいネタです。
このようにあまりにも綺麗すぎる題材(通称:奇跡)は見つけると素材の味を活かしたまま出題されることが多いため、複数の人が別のタイミングで発見すると意図せずともネタが被ることがあります
僕がこの題材を初めて見たのは謎解きを始める前に図書館で借りたパズル本だったと思います。
それぐらい綺麗で有名なネタ。

他にも色々色々あります。

ベタ謎に関する話題アレコレ

さてこれらのベタ謎にまつわる話題がいくつかあります。

例えばベタ謎が常識・暗黙の了解となることで謎解きとしての不文律ができてしまい、新規参入を妨げてしまうのではないかという懸念です。
初めから謎解き慣れた人を対象とした作品なら良いのですが、そうではない万人向けの作品だとこのようなベタ謎を「当然解ける問題」として出すのはまずいでしょう。
制作者としては、作品にベタな謎を使うときには、「ベタだから解けるだろ~」という感じで作問するのではなく、丁寧な例示や誘導を心掛ける必要があると言えます。

他にも、これは特にパターン3の「全体」ベタ謎でよくあることなのですが、意図しないネタ被りによってあらぬ誤解が起き、批判を受けたり対立が生まれたりしてしまう場合があります。
Twitterなどにあがっている謎を全て確認するのは不可能なのでこのような重複はいくらでも起こり得ますし事実起こっているわけですが、これを「剽窃だ」「パクツイだ」と断定して騒ぐとそれは相手への根拠なき誹謗中傷になり得ます。
中には明らかに画像をそのまま利用したり、複数回にわたって類題を出題したりしている例もあるわけですが……
いくらオリジナリティを出して制作した謎解きといえど、何らかのパブリックな知識に基づいている以上はそういったことも十分起こり得るということを意識すべきです。

 

さて、今回は「ベタ謎」についての記事でした。

世の中にはベタ謎の「慣れた人なら一瞬で解ける」特性を活かしたり、逆にあえて「ベタ」を外しにいったりすることで面白みを出している謎なんてものもあります。
あまり頼り切りになると作品が単調になってしまう恐れもありますが、便利な概念ではあるので上手く付き合っていきたいですね。

ではまた。