十干を覚えて謎解きで使おう!
おはようございます。ナゴマです。
謎解き、特に一枚謎の大きな部分を占めるジャンルとして「題材」の謎解きがあります。
代表的なところで言うと曜日、虹の七色、十二支、都道府県などが挙げられますね。
個人的にこの題材が好きで、以下の記事ではこれを山ほど収集しています。
しかし実際には、普通の謎解きで出せる題材というのは一般的なもの、日常的な知識として存在しうるものに限られ、もうほとんど固定化されていると言っても過言ではありません。
一方で、「存在は知っているけどまあ出ないやろ」「面白いけどこれは出せない」みたいな、使えそうで使われないギリギリのラインというのが存在します。
本記事は、そのギリギリのラインの題材について一般的に解説するとともに、「もしこれが曜日や十二支並みに出題される題材だったら」という想像のもと、ちょっとだけ謎解きの守備範囲を広げてみることを目指しました。
あわよくばこれをきっかけに定着したら面白い。
ということで、ここでは「十干」にフォーカスしたまとめをしていきます。
ある意味十二支の対概念で、数も10個と少なく、うっすら知っているけどあんまり見かけない題材(2026年は丙午ということで年始にちょっとだけ話題となりましたが)。
それではレッツゴー
十干の概略
十干は日本・中国に存在する10個一組の概念で、以下に示す10の要素を持ちます。
| 甲 | 乙 | 丙 | 丁 | 戊 | 己 | 庚 | 辛 | 壬 | 癸 |
| コウ | オツ | ヘイ | テイ | ボ | キ | コウ | シン | ジン | キ |
| きのえ | きのと | ひのえ | ひのと | つちのえ | つちのと | かのえ | かのと | みずのえ | みずのと |
一番有名な用途は十二支と組み合わせて使う「干支」で(十「干」と十二「支」で「干支」ですね)、2026年の「丙午」や甲子園ができた「甲子」の年、他にも「戊辰戦争」や「壬申の乱」などちょくちょく目にする機会はあると思います。
それ以外にも順位付けや方位、契約書の「甲は、乙に~」みたいなやつ、果ては漢文の返り点と言ったところにまで幅広く利用されているようです。
漢字を使う場面におけるアルファベット符号、みたいなイメージかな……
社会生活でも「甲乙丙丁戊……」あたりまでは耳にすることも多いですが、「己」以降は順序まで覚えていない人がほとんどだと思います。
十干の漢字
十干に使われている漢字は甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸です。
甲:「手の甲」「六甲山」などでも見かける漢字
乙:「乙女」「『お疲れ』の略」などで見かける漢字 1画の漢字として有名
丙:ほとんど十干でしか見かけない漢字
丁:「丁寧」「丁字路」などで見かける漢字 「チョウ」でなく「テイ」であることに注意
戊:ほとんど十干でしか見かけない漢字
己:「自己」「克己」などで見かける漢字 「コ」でなく「キ」であることに注意
庚:ほとんど十干でしか見かけない漢字
辛:「辛い」「辛酸」などで見かける漢字
壬:一応「壬生菜」とかあるけどほとんど十干でしか見かけない漢字
癸:ほとんど十干でしか見かけない漢字
という感じで、改めて覚えておく漢字が5つと、読み方に注意する漢字が2つというところでしょうか。
これらの漢字のポイントは以下の通りです。
- 「丙」は「病」や「柄」などの漢字のパーツで、これらの文字も「疾病(シッペイ)」「横柄(オウヘイ)」など「ヘイ」の音があるので関連付けられる
- 「戊」は「戊辰戦争」が有名なのでそのイメージ
- 「庚」はほとんど手がかりがないので手ごわい。右下以外はほぼ「唐」で、口のとこだけを人にするイメージか
- 「壬」は「壬申の乱」が有名なのでそのイメージ 「任(ニン)」「賃(チン)」「淫(イン)」など「-in」の音が多いのでその流れでもある
- 「癸」は「一揆の『揆』の右側」が一番わかりやすい
また、「戊」は十二支の「戌(いぬ)」と似ていますが、1画少ない別の漢字であることには特別な注意が必要です。
「甲」と「申(さる)」、「己」と「巳(み)」が似ているのも同じような関係性かも。
演習問題


十干の順序・音読み
続いて順序ですが、音読みを「コウオツ・ヘイテイ・ボキ・コウ・シン・ジン・キ」のリズムで覚えて、そこから漢字と対応させていくのが一番スムーズかと思います。
ヘイとテイ、シンとジンが入れ替わりがちなので注意。
あるいは「コウ・オツ・ヘイ・テイ・ボ」までを既に覚えている場合はその後に続く「キ・コウ・シン・ジン・キ」5つを「両端に「キ」があり、中の3つは辞書順に進んでいく」といったシステマチックな覚え方をしても良いと思います。
また、「コウ」「キ」が二つあるのがちょっとややこしいですが、自分は「簡単な方が先」で覚えています。
「甲」が最初で「癸」が最後、というイメージが持てると整理しやすい。
演習問題



十干の訓読み
最後に十干の訓読みのお話です。
これをここまでの順序や漢字の話と別枠にしているのは、十干の訓読みはこれ単体で完結している命名のルールがあるので、一旦順序を覚えた後に組み合わせれば十分だと判断したからです。
最初の表に戻って見てもらうと、十干の訓読みはきのえ・きのと・ひのえ・ひのと・つちのえ・つちのと・かのえ・かのと・みずのえ・みずのとと、「(属性)の(えorと)」という命名になっています。
つまり、5×2の各要素に圧縮してシステムを覚えればよさそうです。
まず最後の文字の方に注目すると「え」と「と」が繰り返されています。
意味的には「兄」と「弟」のことらしいですが、これはそのまま「干支」の順、と覚えればOKです(実際、「干支」を「えと」と読むのはこれが語源らしい)。
続いて最初の属性の方ですが、順にき・ひ・つち・か・みずとなっており、これはそのまま五行の木・火・土・金・水と対応しています。
「か」が「金」であるのだけが少し分かりづらく、「火」と混同しそうになりますが、五行も基本的には訓読みであることを意識して、「かね」の「か」だと思えばよいでしょう。
5つの単純な覚え方として「曜日のうち、惑星であるもの」ということもできます。
次にこの5つの順序ですが、これは五行の「相生」という関係性の順である、という風に覚えるのが自然です。
これはどういうものかというと、「前に存在するものが次に存在するものを生み出す」という流れのことで、具体的には、
- 木があると(それを燃料として)火が生じる
- 火があると(灰になって)土が生じる
- 土があると(その中の鉱物から)金(金属)が生じる
- 金(金属)があると(表面が結露して)水が生じる
- 水があると(これを源として)木が生じる
というループの関係性です。
このストーリーを頭に叩き込んだうえで、始点が「木」「きのえ」であることを押さえておけば、10個の訓読みを自然に導出することができます。
演習問題



まとめ
以上、十干を構成する10の要素と、これを謎解きに使うなら……という例を挙げてみました。
これを十二支と組み合わせて(つまり干支そのもの)60要素にしたり、具体的な年号と組み合わせたり……というような深掘りもできますが、一旦「10個あるもの」としてのご紹介になります。
実際に謎を作ってみると、音読みで「コウ」「キ」がダブっていたり、訓読みが曜日と被っていたりして絶妙に扱いづらい面もあり、こういうところが流行らない理由でもありそうと思うなどしたのですが、10個という数自体はまあまあ取り扱いやすいので、工夫次第では色々悪いことできそうだなという感じでした。
(あと、演習問題にミスがあったら教えてもらえると助かります)
ではまた。




