謎解きとパズルって結局どう違うねん【他人とは思えない】
どうも、ナゴマです。
以前、このブログで「謎解きとは何か?」というテーマの記事を書きました。
この記事の中では「謎解き」の特徴について、主にクイズと対比させながら説明しています。
厳密に区分できるようなものではないけど、それぞれのコアとなる部分の差は何なのか……という感じです。
さて、謎解きと同じく頭脳系エンタメに分類されるゲームのひとつに「パズル」があります。
推測をして答えを求めるという点では謎解きに近い遊びであり、謎解き問題の中にパズル的な問題が含まれていることも多々あります。
パズルプレイヤーとしても活動している謎クラの方もたくさんおられます。
しかし、これらのコアとなる部分もまた別々。
あくまで別ジャンルとして見られています。
中には「謎解きと言いながらパズルを出すな!」なんて主張する人も。
ということで今回は、謎解きとパズルの違いについての持論を述べていきたいと思います。
今回の記事でも「謎解き」「パズル」という用語を使っていますが、ここで私が意識しているのは「一枚謎」と「ペンシルパズル」です。
これらは謎解きやパズルの最もシンプルな形だと思っており、ここでの例示に使うのにふさわしいと考えています。
もちろん世の中にはいわゆる「謎解き公演」のような複合的なエンターテインメントや、パズルと謎解きの中間に位置するようなゲームもたくさん存在しますが、これらはその進化系・融合系であると捉えています。
ルールが見えるのがパズル、ルールを見つけるのが謎解き
では本題です。
謎解きとパズルには目に見えて分かる違いが1つあります。
それは「謎解きにはルールが書かれていないが、パズルにはルールが書かれている」ことです。
いやいや、謎解きでも「最終問題に正解したらクリア」とか「答えはどこどこに入力」とかそんなルールがあるじゃないか……と思われる方もおられるかもしれませんが、あくまでそれらはゲームとしてのルールです。
個々の一枚謎には明示的なルール文は基本的に書かれていません。
「答えは3文字の動物」とか「答えは①②②③」とかそういう指示文がある場合もありますが、これはあくまで解答を自然に定めるためのヒントであって、謎の中心となるギミックを定めているものではないのです。
一方で、パズルは基本的にルールが最初に書かれています。
例えばシンプルループというパズルであれば、「黒マスを除く全てのマス目を通るひとつながりの線を引く」「線は全体で大きな一つの輪になる」「線は交差しない」というルールが存在します。
いわゆる「インストラクションレス」のようにルールが与えられないパズルもありますが、それはまた特殊なパターンです。
ここではひとまず考えないことにします。
問題へのアプローチの仕方が変わる
さて、これらの違いは問題を解く際にどのように表れるのでしょうか。
謎解きは隠されたルールを推測する必要があります。
そのため、解く側は与えられた情報をもとにまずルールを仮定して、それが例示と合致しているか(場合によっては導き出される言葉が単語になっているか)を確認します。
そしてその仮定が正しければそれが答えとなり、仮定が誤っていればまた新たなルールを探しに行くのです。
一方でルールが明示されているパズルを解くときは、まずそのルール(と、場合によっては唯一解性)に従って線を引いたり数字を埋めたりしていきます。
ここで記入した内容は、それがルールを満たす唯一の手であるならばあとから書き換えられたり棄却されたりすることはありません。
パズルにおいてもいわゆる「仮置き」というものはありますが、これはあくまでルールの中で行われるものであり、森羅万象を当てはめる必要のある謎解きの推測とは異なります。
言い方を変えると、問題を解くために必要な情報が最初からルールの中にすべて存在しているのがパズルで、必要な情報をあらゆるものごとや経験の中から探す必要があるのが謎解きだ、ということになります。
謎解き×パズルの世界
ここまで謎解きとパズルの違いについて説明してきました。
しかし、世の中には謎解きとパズルを合わせたようなジャンルのものも多数存在します。
明確に線引きができるようなものではなく、融合させたエンタメも多数存在するということです。
例えば除夜謎2020の三月のテーマは「謎解き×パズル」でした。
この問題群の中の多くは、パズルのようにルールが最初から明示されています。
とりあえずはそれに従って解けば良いわけです。
しかし、それだけでは答えを導くことはできません。
問題文の節々を読み取ったり微妙な違和感を突き詰めたりして、明示されていないルールをくみ取ることで初めて答えを導くことができます。
この手の問題は、解いてみると「謎解き」のパートと「パズル」のパートが両方存在しているように感じます。
上手いことやれば「謎解きらしさ」と「パズルらしさ」は両立するのです。
また、先にも少し触れたように、ルールが書かれていない「インストラクションレス」というジャンルのパズルも存在します。
こちらは多くの場合、答えがすでに書かれた例となるパズルを見て(唯一解性やら何やらとも相談し)ルールを推測してからパズル本編を解く、という構造になっています。
たまに例が無いのもあります
パッと見た印象や最終的にやるべきことは完全にパズルですが、例をもとに何が起こっているのかを推測する……という点に関しては法則発見系の謎解きと同じことをしていると言えるでしょう。
このようにパズルと謎解きの違いをまとめてみました。
このテーマは度々話題になりますし色々な意見があるとは思いますが、とりあえず私が出した結論はこの「ルールの有無」ということになります。
もちろんこの基準に厳密に従う必要性は全くありませんし、むしろフレキシブルに動かせるぐらいの方が面白いものが作れるとは思いますが、あるコンテンツのどのような部分が面白かったとかそういう分析をするときにこの視点が役に立ったりするんじゃないかと思います。
ではまた。