国内最高峰の謎解き大会「解神」に参加した話
はいどうも、こんにちは。
ナゴマです。
この記事では、今年の2月頃に開催された競技謎解きイベント「解神(ときがみ)2021」というイベントの詳細の解説と、参加した感想や裏話を綴っていきたいと思います。
解神とは?
解神は、「日本で一番謎が解ける人」を決めるイベントです。
公式サイトはこちら。
優勝した人は「解神」の称号を手にすることができますが、日本中から謎解きの猛者が集うためその戦いは非常にシビアです。
予選の「勝鬨(かちどき)」、敗者復活戦のような「修羅」、そして本戦にあたる「解神」の3つのラウンドから成っており、最初から最後まで熾烈な戦いが繰り広げられます。
「日本で一番アツい謎解きイベント」なんて評価をしている人もいるぐらい、強烈で、過酷で、そして何より楽しいイベントです。
勝鬨ラウンド
この後、解神で実際に解いた問題に少し言及する場面がありますが、実際の問題画像や具体的な説明は掲載していません。問題を見たい方は解神公式が販売している問題データ集を購入してください。
参加費用を払ってエントリーした後、まずは予選の「勝鬨」に挑みます。
ちなみに私は今年が初参加でした。
大学デビュー。
例年であればこの勝鬨も会場で行われるそうなんですが、今年は新型コロナウイルスの関係もあってツイキャスの配信を用いたものとなりました。
他、前説や本戦の配信もこのツイキャスを使って行われていました。
形式は全て一枚謎(というか解神で出題されるのは全部一枚謎です)。
次々と切り替わっていく画面を見ながら問題を解き、解答を専用のフォームに入力していきます。
そしてこの結果の上位36人が修羅以降に進出できます。
なかなかシビア。
1問に与えられる時間はたったの30秒。
30秒経過したら解けてようがいまいが無慈悲に、機械的に画面が切り替わります。
(表示が切り替わるだけで、30秒経った後も前の問題に解答すること自体は可能です。)
そして問題数は全部で50問。
(昨年までは20問だったらしいです)
50問もの一枚謎が25分間ノンストップで切り替わりそれを解き続けなければならない……
かなりの集中力と体力を必要とします。
気分はすでにセンター試験。
1問30秒の世界を体感してみたい方はこちらの動画がオススメです。
さて、この勝鬨なんですが、めちゃくちゃ楽しいです。
様々なジャンルの50問が次々と襲い掛かってくる。
それを次から次へと投げ飛ばす……
気分はすでに総合格闘技です。
1問30秒という極めて短い時間で次の問題へ進むため、一問解けなかったら即座に頭を次の問題に切り替える必要があります。
ですが、勝鬨は一問の正誤が本戦進出/敗退を分ける勝負です。
一問解けないだけでも結構引きずります。
受験を通過した方はセンター試験のリスニングとかをイメージしてもらえれば分かりやすい。
私は序盤で3問連続で解けないという地獄を見たのですが、あまり意識しすぎても点は伸びないだろうと思い改め、なんとか中盤以降で盛り返すことができました。
また、解けなかった問題もメモを取って保留にしておけば、後の問題が早く解けて時間が余った時に考える時間が生まれて救われたりします。
この辺は戦略次第ですね……今年雰囲気を知れたので来年以降はもっと構えて臨みたい。
ともあれ、全50問のうち37問を正答することができ(そのうち2問は勘で当てました)、第28位で修羅ラウンドに進出することができました。
わーい。
ボーダーが36点だったので勘の2問が無かったら死んでましたね
修羅ラウンド
という訳で本戦出場ですが、本戦の会場は東京都内です。
私は京都市在住なので結構な距離の移動、そしてまあまあな費用……
ですが、この遠征に躊躇いはありませんでした。
それぐらいの手間をかけてでも行く価値のある大会だと思っていましたし、何よりこの解神という世界を楽しみたいという気持ちが勝っていました。
さて、本戦の最初となる修羅ラウンドは、8人一斉の早押しラウンド×4です。プロジェクターで正面のモニターに大きく問題が投影され、それを見て分かった瞬間に押す……とルールは単純です。この8人の中から2人が本戦の解神ラウンドへ進出てきるのですが……
この修羅、3〇1✖なんですね。3回正解すれば決勝に行けるんですが、1回でも間違えたらその時点で失格……
誤答する余裕がないので、問題が見えて解けたとしても「押していいのか?」「引っかけ問題だったら?」なんてことを考えないといけない。
でもそんな理由で躊躇っていると他の7人が容赦なくかっさらって行く……そんな世界。
私の組分けはAブロックでした。
対戦相手は予選44点通過の人、LINE脱出王、4代目謎解き王、QuizKnockのふくらさん……他にも噂を聞いたことのある猛者がいっぱい。
というか猛者しかいない。
なんで私がここにいるんだ。
(ブロックの分け方は予選の順位に基づいてます)
ひえ~~と取り乱してもおかしくない状況だったと思うのですが、この組分けを見たときから私のテンションは爆上がりでした。
この方々と早押し勝負で戦えるんですよ!?
めちゃくちゃ興奮しませんか!?
特に背負う称号や肩書もない(サークルを代表しての出場にはならずに済んだ)ので、興奮しながらも少し肩の力を抜いて笑顔で本番を迎えることができました。
さていよいよ試合です。
そういえばしっかりした早押しボタンに触れるのも初めて。
1・2問目は少し怖いので見逃し。
そして3問目は私がまあまあ得意とする判じ絵系の問題。
簡単な問題だったので当然壮絶なボタンの押し合いになるのですが、なんとこの押し合いを制することができました。
解答を大声で叫ぶ。
正解音が鳴り響く。
め、めちゃくちゃ気持ちええ~~!
いやー、本当に突き抜けるような衝撃と快感がありました。
人々が早押しクイズにハマるのも納得です。
そして続く4問目はちょっと発想の転換が必要な法則問題だったのですが、なんと3問目を正答した勢いでこちらも正答してしまいました。
周りが明らかに解けていないタイミングで悠々とボタンを押せるのは、押し合いを制した3問目とはまた違う格別な快楽です。
問題の解説がされたときに聞こえてくる「あ~そうか……」なんて声を聴きながらニヤニヤしていました。
4問目終了時点で私は2点先取。
つまり勝ち抜けリーチ。
なんか無名の若造が突然解神ラウンド出場に王手をかけたもんだからどよめく会場。
なのでこの時点での私の状況としては「自分以外の2人が3点を取る前に1問正答すればOK」だったわけです。
文字で見ると結構簡単そうですし、実際気持ちとしてはかなり楽になったんですが、そこまで甘くはありませんでした。
この後1問も取ることができず問題数上限の20問に到達。
ふくらさん1人のみが勝ち抜けしていたため、残る1枠を決めるためのサドンデスが開幕。
そしてサドンデスでYSSNさんに敗北し終了。
私の解神はここまででした。
悔しい結果とはなってしまいましたが、この最高の舞台で「早押しで謎解き」という経験ができて非常に良かったと思います。
バチバチの競技としての謎解きは、普段Twitterやリアル謎解きゲームでやっているものには存在しない緊張感があり、それゆえに正答できた時の喜びもひとしおです。
でも本当は1ミスで死とかいう激ヤバ状態じゃなくもっと気楽な感じでやりたい……
解神ラウンド
さて。本戦となる解神ラウンドです。
私は修羅で落ちたので見てるだけ。
この解神ラウンドは1対1のトーナメント形式。
解神ラウンドで出題される問題も一枚謎ですが、モニターに問題が表示されていた勝鬨・修羅とは異なり、問題用紙が対決する2人の手元に配布されます。
問題は全部で15問あり、1ページに付き1問が印刷されています。
つまり1問解いて、めくって、また解いて、めくって……という感じで進んでいきます。
解けない問題があればパスも選択できるのですが、一度パスした問題に戻ることはできません。
結構考えてパスしなくちゃならない。
多く解いた方の勝ちです。
(同点の場合、修羅のような早押しでのサドンデスになります。)
そして制限時間は全部で3分。
つまり1問あたり12秒しかかけられないという計算になります。
マジで言ってんの?
1つの問題にそう長く時間をかけていられないため、どの問題をパスするかというのも重要になってくるわけですね。
ちなみにこの解神ラウンドの問題を作っているのは、歴代解神の皆さんや零狐春・タンブルウィードなどの有名団体に所属している有名制作者の皆さんです。
問題は前述のリンクから購入できます。
解神ラウンドの世界を疑似体験してみたい方にはこちらがオススメです。
私はただの観客でしたが、他人が真剣に謎を解いている姿を見ることもなかなかないので見ているだけでも面白かったです。
傍から見ても分かるほどに手が震えている人もいて、解神のステージの壮絶さと緊張感が伝わってきました。
普段のその人の実力なら瞬殺しそうな問題でも、なかなか解けなかったりするようです。
クイズ番組で「テレビで見てると答えられるけどあの場に立つと何もできない」みたいな話をよく耳にしますが、それと同じことが起こっていた。
人がただ謎を解いている姿を見ているだけの数時間ではあったんですが、体感的には一瞬でした。
来年は自分もあのステージに立ちたいな~、なんて。
まとめ
最高のイベント「解神」を紹介してまいりました。
来年は今年を超えたいな、と思ってるのですが、周りを見渡してみるとこの大会に向けての対策会が開かれていたりしますし、世界にはまだまだ無名の猛者たちが眠っていたりするので、来年は修羅に上がるのすら厳しいんじゃないかな……と感じています。
ともあれこの大会がより発展してより楽しいものになってくれることを願っております。
ではまた。