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【感想】loop【ネタバレなし】

この記事は謎解きイベントの個人的な感想記事です。
公演内容に関する直接的なネタバレは含みませんが、雰囲気や難易度などについての情報、公演に参加済みの人にしか伝わらないようなコメントを含む可能性があるため、「真っ新な状態で公演に参加したい!」というような人はブラウザバックをオススメします。

タンブルウィードの100作目記念公演『loop』に行ってまいりました。

京都住みということもあって下北沢のタンブルには頻繁には行けないんですが、やはり一番好きなレーベルなので記念公演にはどうしても行きたいという気持ちもあり、極めて興味をそそられるタイトル・ビジュアルに引っ張られるようにして東遷を決めました。

感想・印象

成功成功成功

成功しました。楽しみ尽くせた

メタレーベル」の名の通り、謎解き公演の性質を利用した謎解き公演ではありますが、それゆえのハードルの高さ・難解さというものを感じることはあまりなく、純粋にナゾベースらしい公演だったという印象です。
むしろメタ要素があることによって、謎解き公演の謎解き公演としての面白さを受け取る視点が増え、厚みが出ていたように思います。
公式サイトの記述からも分かる通り長時間公演ではありますが、随所に発見が散りばめられており、常に質の高いひらめきを味わうことができました

謎解き公演に参加すると、斜め上の発想に到達した時に感心して笑ってしまう、ひらめいたチームメイトに向かって「天才!」と叫びたくなる、といった状況にときおり遭遇しますが、この公演はその頻度が特に多かった気がします。
後半はなんかずっとゲラゲラ笑ってた

IMMORTALとloop

謎解き公演同士を比較するのはあまり好きではないですが、同じくタンブルウィードのアニバーサリー記念公演である『IMMORTAL』と並べることによってお互いの良さが際立つと考えたのでそういった話をしてみようと思います。

IMMORTALはタンブルウィードの5周年公演で、僕が今までに参加した謎解き公演の中では最も「刺さった」と感じることのできたものです。
こちらもloopと同じくメタレーベルであり、「謎解き公演」をツールとして利用するような要素が存在します。

共通点が多く、どちらの公演も僕の中では最上位の評価を得ている公演ですが、二者はかなり毛色が異なります。
第一に、対象とする層が異なります。
どちらも「謎解きが好きな人のための公演」ではありますが、この「謎解きが好きな人」の集合を表す円が2公演の間で少しずれており、IMMORTALは「ゲームが好きな人」方面に、loopは「タンブルウィードが好きな人」方面にシフトしているような印象を受けました。ミクロとマクロ
もしこれらの公演が将来再演されることを期待するのであれば、それまでの間、IMMORTALを楽しむためには謎解きフェスなどのイベントにたくさん参加することを薦めますし、loopを楽しむためにはタンブルウィードで再演される公演にたくさん参加することを薦めたいと思います。

次に、公演の面白さの色合いが異なります。
俗な話になりますが、謎解き公演が面白かったかどうかを点数で評価するとしましょう。
この場合、細分化した評価項目をいくつか用意して、それぞれについて5点満点とかそういった基準を用意して最後に合算する、という形を取るのが一般的になるかと思います。
この場合、IMMORTALは評価が突き抜ける項目が多い一方で、あまり点数が入らない項目も確かに存在しそうです(もちろんIMMORTALと完全に波長が合う人ならその限りではないと思いますが)。
言うなれば「特化型の」「個性の強い」公演であるということ。
一方でloopは普遍的に高い点数が付き、最終的に合計点が高くなる公演というイメージです。
特にこの項目が……という語り方にはならないですが、全てを俯瞰したときに良かったな、という気持ちが生まれてくるような形。
言い方を変えると、ガンガン加点するポイントがあるのがIMMORTALで、減点するポイントが見当たらないのがloopという感じです。

過去の総まとめであり未来への第一歩となる節目の公演として、非常に丁寧に作りこまれた最高の公演だったように思います。
タンブルウィードの良さとして、制作陣と運営陣の思惑が噛み合ったまとまりの良い総合エンタメであるという点が挙げられると思いますが、loopでもこの点は変わりません。
謎の面白さ、演出が生み出す興奮、テンポの良い運営……
こういった魅力が100作品にわたってタンブル公演を成立させてきたということを態度で示す作品だったと言うこともできるでしょう。

今後もまた時間とお金をかけて東京に遠征することはあると思いますが、その原動力はやはりタンブルウィードが担ってくれると思います。

みんな行ってくれ