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2023年のTwitter謎解き文化を振り返る

あけましておめでとうございます。

2024年も始まって数日が経ってしまいましたが、今回の記事は2023年に謎解きとその周辺分野で流行したり話題になったものを振り返っていく記事になります。

昨年は「毎月謎解きコンテスト」が誕生し、また年末には「謎解き系イベント勝手に大賞」が開かれるなど公演・キット・周遊などについては総ざらいをする場面がたびたびありましたが、本記事ではそう言ったものではなかなか扱われない、流行・文化についての集約記事になります。

Twitter(現・X)を中心とした収集・独断と偏見によるピックアップとはなりますが、少しでも振り返りの役に立てば幸いです。

文化・流行

如月の集い

如月の集いは、ダブリング(@saikoro2357)さんによって企画され専用のDiscordサーバーで2月いっぱい開催されたイベントです。

Discordサーバー内では雑談を中心とした交流や言葉遊びが行われますが、「ランダムに選択された仮名が毎日ひとつ使えなくなる」という縛りが存在します。
上旬は自由に会話できますが、日が進むにつれてどんどん発言が難しくなり色々と工夫を凝らして交流をする必要が出てきます。

最終日には全ての文字が消滅したため現在は当該サーバーで発言することはできませんが、主催者によって後記が公開されており、1か月で生まれた様々な文化を垣間見ることができます。

現代4コマ

現代4コマはいととと(@itototo1010)さんによって創始された、「4コマ漫画」の新しい形態です。

4コマといえば起承転結からなる漫画、という印象ですが、コマそのものを利用したり、漫画ではないものをコマに見立てたり……と非常に自由で多彩な表現を許容しているのが特徴です。

謎解きとの相性も良いようで、「謎解き4コマ」と呼ばれるジャンルに派生したり。

わかる人にはわかるクイズ

わかる人にはわかるクイズは、常春(@halnanndesu)さんが春頃に投稿していたクイズシリーズです。

テーマとしては曲の歌詞やインターネットでの流行など多くの人が話題にできるものが多く、インプレッションが非常に多くなっていたのが特徴です。

また、このシリーズに限らず「縦長の画像」「カラフルな背景」「『~な問題です』といった感じのキャプション」などの特徴を持つ謎解き・クイズの投稿が2023年には非常に多く見られました。

SNS上での謎解き・クイズの見られ方がよく研究された1年だった印象です。

ピーコロン

ピーコロンは6月に発足した、Discordで運営されている言葉遊びコミュニティです。

前述の「如月の集い」の流れを汲む有志(当ブログ管理人のナゴマもその1人です)によって運営されており、変則的なしりとり等で遊んだり、作品の投稿や収集を行ったりできます。
現時点で300人を超える参加者がおり、毎日活発に活動が行われています。

画像生成AI

テキストや写真などからAIを用いて画像生成を行う技術はここ数年で急速に進化し、2022年後半ごろから謎解き・クイズの企画でも時折見かけるようになりましたが、2023年はそれらがさらに加速しました。
QuizKnockやリドラの謎解きチャンネルなどのコンテンツでも何度か扱われています。

12月に開催されたイベント「TOWERUSH」ではAIで生成した画像を用いた塔(50問連続出題)が登場するなど、イラストを利用した問題を量産できることの強みが発揮されました。

Twitter→X、コミュニティの色々

2023年はTwitterの名称がXに変化したことが話題となりましたが、謎解き界隈のコミュニティにも様々な変革が起こりました。

6月には自作の謎解きを宣伝できる「謎解きの集まりコミュニティ(謎コミュ)」が立ち上がり、現在は500を超えるアカウントが参加しています。

また、TwitterのAPI制限などによる混乱が起き、例えばMisskeyというSNSでは謎解き部が誕生するなど、様々なSNSがTwitterの代替コミュニティとして提案されました。

2023年9月20日には、「年月日時分秒の数字を並べアルファベットに変換すると『TWITTER』になる」瞬間が訪れ、(一瞬ではありますが)大きな話題を呼びました。

コンテンツ・サービス

謎解き日本一決定戦Χ2023

2022年に始まった謎解き日本一決定戦Χが2023年も開催されました。
1月の予選を皮切りに3月の決勝戦放送まで長期にわたって行われたイベントです。

ALQRT

ALQRT(アラカルト)は、3月に運用開始した一枚謎を投稿することができるSNSサービスです。

解答フォームやヒント機能等、一枚謎をスムーズに解くためのサービスが充実しているほか、最近追加された「コース」という機能を使えば謎を作品集のように展示できるなど、一枚謎のポートフォリオとして非常に有用です。
現在は招待制となっており、投稿できるユーザーは制限されています。

Tangolf

Tangolfは、言葉を利用したブラウザで遊べるゲームです。
お題が毎日変わり結果をSNSに投稿できる、「Wordle」ライクなシステム。

単語をベクトルとして処理し、語の持つ意味の足し算や引き算をしながらお題となる単語に近づけることを目指します。

ミステリーレコード

ミステリーレコード、通称「ミリコド」は、スマートフォンで遊ぶことができる、「ひらめきアドベンチャー」をテーマにしたソーシャルゲームです。

コンテンツ制作にはSCRAP・タンブルウィード・AnotherVisionの3団体が関わっています。
2023年の3月末にリリースされましたが、2024年の3月26日にサービス終了になるとのことです。

脱出ゲームGPT

脱出ゲームGPTは、カブトラ(@DbzzQn)さん制作のLINEを用いたコンテンツです。

AIチャットサービスである「ChatGPT」を利用しており、一般的な脱出ゲームのように想定された導線があるわけではなく、会話を通して自由な発想で脱出を目指すのが特徴です。
現在はサービスが停止しており遊ぶことはできません。

LEVEL10

LEVEL10は、タンブルウィードが制作した謎解きコンテンツです。
佐藤健さん・ふくらPさんがプレイする様子がYouTubeでアップされ話題となりました。

タンブルウィードの謎に二人が挑む企画はこれまでも何度かありましたが、LEVEL10はその中でも史上最高難易度とのことです。

また、この動画が公開された後にはこれをオマージュした謎解きコンテンツもいくつか公開されました。

EnigmaStudio Pro

EnigmaStudio Proは、2022年に公開された単語検索ツール「EnigmaStudio」の有料版です。
EnigmaHouse(@enigmahousejp)によって運営・管理されています。

現在は「汎用検索」や「ワードジェネレータ」「複数アナグラム検索」など高性能のツールが多数公開されています。

ER Champ

ER Champは、ポーランドで開催される脱出ゲームの世界大会です。
コロナ禍の影響でオンラインで開催された時期もありましたが、2023年はFINALがポーランド現地で開催され、日本のチームである「RIDDLER SUKIYAKI」が優勝しました。

正規表現パズル

正規表現パズルはその名の通り、文字列の集合を示す記法である「正規表現」をパズルゲームとして遊ぶ・学ぶことができるコンテンツです。

公開直後、正規表現の使い手(?)たちによってどれだけ記録を縮める(より短い表記でクリアする)かが競われるなど、一部では大きなムーブメントとなっていました。

また、この正規表現は謎解きの制作・単語検索の際に非常に有用な検索手段として使われており、フライパン職人(@1220oz_an)さんによる紹介記事が書かれています。

暗号学園模擬試験

暗号学園模擬試験は、漫画『暗号学園のいろは』と書店のキャンペーンで出題された高難易度謎解きです。

「暗号を解くとプレゼントがもらえる」というタイプのキャンペーンですが、出題された問題が非常に難解・複雑であることが話題となっていました。
しかし、(本来は半年かかる想定だったようですが)公開から2週間足らずで「解凍」者が現れ、最終目的地である石川県の「いろは書店」に到達。

現在は解説も公開されています。

おわりに

以上、2023年の流行・文化・話題まとめでした。

2022年度に投稿していた「月刊謎界隈」の更新を個人の都合により停止させてしまいましたが、やはりこういった流行を一覧できるものが欲しい、という声を受け本記事の投稿に至りました。
何かを思い出す手助けとなれば幸いです。

今年も様々な流行や文化が生まれるのは間違いありませんし、コミュニティのあり方や謎解き文化が大きく変化する中、より大きな変革が起きることも予想されます。
当ブログもなるべく更新頻度を上げていきたいと思っていますので、今年もよろしくお願いいたします。

ではまた。

謎解き謎解き界隈

Posted by Nagoma