漢字一文字+カタカナ一文字からなる言葉を集めたい
漢字一文字とカタカナ一文字からなる(いわゆる「文字種クイズ」的な表現をするなら「漢ア」または「ア漢」と表記される)言葉を集めて分類します。
本記事は「言葉遊び Advent Calendar 2025」の12/7の記事として公開される予定のものです。
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分類について
本記事では、漢字一文字+カタカナ一文字からなる言葉(以下、漢ア語)を、その構造から「略語型」「単語型」「特殊型」の3つの大分類に分け、さらにそれを11の小分類に分けています。
一部の単語はどの分類にも当てはまらない場合がありますが、これは「特殊型」に分類し、小分類区分を未定としています。
略語型
略語型は、その名の通り、1単語を略した結果漢ア語になった言葉のグループです。
そもそも漢ア語が自然発生するのは極めて稀であるため、このような略語としての分類が大部分を占めています。
南ア型
南ア型は、「漢字一文字+カタカナ語」という構造を持つ単語の略語が入る小分類です。
分類名になっている「南ア」は「南アフリカ(共和国)」の略であり、
南 + アフリカ
という構造の熟語が、カタカナ部分のみ略されたものとなっています。
この分類に当てはまる他の言葉の例を挙げますと、
- 丸ゴ(丸ゴシック[体])
- 旧ソ(旧ソビエト[連邦])
- 銀テ(銀テープ)
- 鍋パ(鍋パーティー)
- 舌ピ(舌ピアス)
などがあります。
ド級型
ド級型は、「カタカナ語+漢字一文字」という構造を持つ単語の略語が入る小分類です。
南ア型とは並びが逆になっているだけですが、別区分としてカウントしています。
分類名になっている「ド級」は「ドレッドノート級」の略であり、
ドレッドノート + 級
という構造の熟語が、カタカナ部分のみ略されたものとなっています。
この分類に当てはまる他の言葉の例を挙げますと、
- ゲ謎(ゲゲゲの謎;助詞の「の」があるが、分類するとしたらここ)
- バ先(アルバイト先)
- メ欄(メール欄)
- ロ軍(ロシア軍)
などがあります。
共テ型
共テ型は、「漢字語+カタカナ語」という構造を持つ単語の略語が入る小分類です。
分類名になっている「共テ」は「共通テスト」の略であり、
共通 + テスト
という構造の熟語が、どちらも略されたものとなっています。
漢ア語の小分類の中では最大のグループとなっており、この分類に当てはまる他の言葉の例を挙げますと、
- 丸サ(丸ノ内サディスティック;「ノ」はカタカナだがまあよし)
- 連コ(連続コイン[投入])
- サ終(サービス終了)
- ソ連(ソビエト連邦)
- 空ダ(空中ダッシュ)
- 漢ド(漢字ドリル)
- 永パ(永久パターン)
- 天パ(天然パーマ)
- 塩ビ(塩化ビニル)
- 写メ(固有名詞としては「写メール」の略だが、そもそもが「写真+メール」の略語になるためこの分類)
- 読モ(読者モデル)
- 河ラ(ラウンドワン京都河原町店;逆転する珍しい例)
- 東レ(東洋レーヨン)
など多数存在します。
セ氏型
セ氏型は、「略語にした際に元の単語には含まれない文字が追加されて漢ア語になる」単語が入る小分類です。
分類名になっている「セ氏」は「セルシウス度」の略であり、
セルシウス度 + 氏(接尾辞)
というように、略語として分かりやすくするための接尾辞が追加されたものとなっています。
この分類に当てはまる他の言葉の例を挙げますと、
- セ界(セントラル・リーグ)
- ド軍(ロサンゼルス・ドジャース;メジャーリーグの球団は全てこのような略語の用例がある)
- 日プ(PRODUCE 101 JAPAN)
- 逆ボ(ボーダーラインギリギリでの失敗)
などがあります。
日ソ型
日ソ型は、「漢字語・カタカナ語」という並列構造を持つ単語の略語が入る小分類です。
共テ型と似ていますが、「共テ」は「共通」が「テスト」を修飾する関係であるのに対し、こちらは修飾ではなく並列関係にあるものが含まれます。
分類名になっている「日ソ」は「日本・ソビエト」の略であり、
日本・ソビエト
という並列構造の熟語が、それぞれ略されたものとなっています。
この分類に当てはまる他の言葉の例を挙げますと、
- 日ウ(日本・ウクライナ)
- 印パ(インド・パキスタン)
などがあり、これ自体が熟語というよりも、「単体で略すと漢字一文字になる単語」と「単体で略すとカタカナ一文字になる単語」の組み合わせという感じがあります。
単語型
単語型は、略語ではない一単語として漢ア型で構成される言葉の分類です。
ウ冠型
ウ冠型は、「カタカナ一文字の単語+漢字の接尾辞」という構造を持つ単語が入る小分類です。
分類名になっている「ウ冠」部首のひとつで、
ウ(に似た形の)冠(に属するもの)
という名付けになっています。
この分類に当てはまる他の言葉の例を挙げますと、
- ト書(演劇用語)
- ハ県(ブータンの自治体)
- レ点(漢文の訓点)
- ワ族(ミャンマーの部族)
- ア~ワ行、ア~オ段(五十音)
- ガ格・ヲ格など(日本語の格)
- ハ調・変ホなど(音名)
などがあります。
ヒ素型
ヒ素型は、「漢字2文字で書けるが、一方をカタカナで書く表記が定着しているもの」が入る小分類です。
分類名になっている「ヒ素」は「砒素」と書けますが、「ヒ素」とする表記が一般的です。
前に挙げたウ冠型とは排反ではないため、どちらとも取れるものも多いですが、「日本語漢字で書き表せる」ものはこちらに含めているつもりです。
この分類に当てはまる他の言葉の例を挙げますと、
- イ草(藺草)
- ウ科(鵜科)
- カ科(蚊科)
- ガ目(蛾目)
- ギ酸(蟻酸)
- ブ男・ブ女(醜男・醜女)
などがあります。
彼ピ型
彼ピ型は、「漢字一文字+カタカナ一文字が修飾関係」という構造を持つ単語が入る小分類です。
分類名になっている「彼ピ」は「彼」の指小形、あるいは「彼氏」の変形で、どちらにせよ「彼」のニュアンスを「ピ」で変形させる形となっています。
この分類に当てはまる他の言葉としては、
- 末ズ(嵐の松本潤と二宮和也の組み合わせ)
- 麺ズ(漫才コンビ)
- ド屑(楽曲名)
が見つかっています。
愛バ型
愛バ型は、「普通名詞熟語の一部をカタカナに変えることで固有名詞にする」という流れで生まれた単語が入る小分類です。
分類名になっている「愛バ」は『ウマ娘』シリーズで用いられている用語で、「愛馬」の「馬」を「バ」にすることで作品固有の名詞となっています。
この分類に当てはまる他の言葉の例を挙げますと、
- コ室(タンブルウィードの謎解き形態;「コの字型の部屋」とも捉えられ、その場合はウ冠型)
- マ王(アニメ『今日からマ王!』)
などがあります。
上ゲ型
上ゲ型は、「送り仮名がカタカナになっている」単語が入る小分類です。
分類名になっている「上ゲ」は愛知県の駅名で、由来とされる「上げ(る)」の「げ」を「ゲ」にすることで構成されています。
この分類に当てはまる他の言葉は
- 上ル・下ル・入ル(京都の住所表記)
が見つかっています。
特殊型
ネ申型
ネ申型は、「漢字・カタカナを合わせて1つの文字を示している」ものが入る小分類です。
分類名になっている「ネ申」は「神」を意味するスラングです。
用例は少ないですが、ほかに「『エヴァンゲリオン』シリーズの渚カヲルの名前には『シ者 オワリ』という意味が込められている」という話題について話すときの「シ者」がこれに該当します。
その他
ここで上げたどの分類にも含められない・新しい分類を作るところまで行っていない単語もいくつかあるので、最後にそちらを紹介します。
- 水ト(アナウンサーの水卜麻美を「ミトちゃん」と呼ぶときにこの表記が介在する可能性がある)
- ピ夜(漫才コンビ;詳細不明)
- 電ボ(おじゃる丸のキャラクター;「電書ボタル」の略なら共テ型だが、そういう固有名詞と言われたらそれまで)
- ミ瑞(ボカロP)
- モ誰(イラストレーター)
- ラ王(「ラーメン」の「ラ」ならド級型だが、根拠がない)
最後に
漢ア語について、此処には載っていないものも含めた収集リストをWebサイトとして公開しています。
もしここには載っていない単語や、新しい分類法の提案などを思いついた方がいれば教えていただけると幸いです(随時更新します)。
ではまた。




